ゆうきのイラスト

ゆうきについて

33歳 / 元・市中病院 内科医3年目 → 在宅医療クリニック1年目
2024年3月、当直明けの朝に病院の駐車場で動けなくなった日から、月曜の朝が怖くなくなるまでの話を書いてます

DOCTOR · CHAPTER 1 — CALLING

2021年春、両親が出してくれた学費3,500万円の背中を思い出した1年目

2021年の春、私は私立医大を卒業して、都内の大学病院で初期研修を始めました。

実家は裕福ではありません。
私立医大の6年間で約3,500万円。両親が何年もかけて準備してくれたお金で、私は医師になりました。

研修初日、白衣に袖を通したとき、両親のあの背中を思い出しました。
「ちゃんと一人前の医者になって、いつか恩を返す」、そう静かに決めた33歳のいまの私は、このときまだ20代でした。

※このときは、自分が3年後の春に何を経験することになるか、想像もしていませんでした。

DOCTOR · CHAPTER 2 — COMMITMENT

2023年春、内科の後期研修3年目で市中病院の常勤になった

2023年の春、私は内科の後期研修3年目として、地域の市中病院で常勤医になりました。

救急も外来も病棟も診る、いわゆる「なんでも診る内科」。
研修医のころに憧れた、患者さんを最初から最後まで見届けられる場所でした。

「ここで力をつけて、半年後の専門医試験に受かる」
その目標を立てたとき、自分の中で、医師としての覚悟が一段深くなった気がしました。

同期と当直明けにラーメンを食べながら、症例の話を朝までする。
きつくても、まだそのころは、前に進んでいる充実感のほうが大きかった春でした。

DOCTOR · CHAPTER 3 — THRESHOLD

月5〜6回の36時間当直と、深夜のカンファ準備が重なった夏

ただ、常勤になって数ヶ月で、勤務の現実が一気にのしかかってきました。

当直は 月5〜6回
しかも夕方から翌日の通常勤務までぶっ通しの、いわゆる 36時間勤務。当直が明けても、その日の外来と病棟がそのまま待っています。

夜中に救急搬送が重なれば、仮眠ゼロのまま朝を迎える。
そこに、翌週のカンファレンスの資料準備と、半年後の専門医試験の勉強が積み重なっていきました。

夏のある当直明け、外来の診察中に、患者さんの話を聞きながら 意識が一瞬飛びそうになった 瞬間がありました。

目の前に患者さんがいるのに、自分の集中が保てない。
人の命を預かる場所で、それが本当に怖かった。

仕事は確かにやりがいがある。
ただ、体と頭が、間に合わない。

DOCTOR · CHAPTER 4 — GUARDIANS

当直明けの仮眠室で、初めて「医師の働き方」を検索した夜

ある当直明けの深夜、仮眠室の二段ベッドで、私は初めてスマホで「医師 当直 しんどい」と検索しました。

それまでの私は、医師の働き方は「市中病院の常勤」しか頭にありませんでした。
研修医からそのまま常勤へ、それが当たり前だと、なんとなく思い込んでいたのです。

でも検索結果には、当直のない働き方、外来だけのクリニック、在宅医療という選択肢が並んでいました。
「医師の働き方は、市中病院の常勤だけじゃない」、それを文字で見たのは、このときが初めてでした。

自分の働き方を、自分で調べてみる。
その入口を、当直明けの仮眠室で、自分の指で叩いた夜。
その夜は不思議と、いつもより少しだけ眠れました。

DOCTOR · CHAPTER 5 — DEMON

2024年3月、当直明けの朝に駐車場で動けなくなった

2024年3月、当直明けの朝7時。
帰ろうとして病院の駐車場まで歩いたところで、私は自分の車の横で動けなくなりました。

足が前に出ない。鍵を握ったまま、ただ立ち尽くす。
気づいたら、両親に電話して、駐車場で泣いていました。

そのころの私の頭の中では、いくつもの 不安恐怖 が、ぐるぐる回っていました。

  • 当直中に判断を って患者さんを危険にさらすかもしれない、という 恐怖
  • 「3年目で音を上げるのは甘えだ」と思われる、という 後ろめたさ
  • 3,500万円を出してくれた両親を裏切るかもしれない、という 悪感
  • 専門医試験に落ちたら、ここまでの努力が崩れる、という 不安
  • 逃げ出したいのに逃げ場所が分からない、自分が いになりそうな しさ

その夜、当直明けの仮眠室で「医師 当直 しんどい」と検索しながら、私は天井を見つめていました。
体は限界なのに、辞めることが正しいのか、それすら って動けませんでした。

診察中に意識が飛びそうになった、あの怖さがまた来るかもしれない。
それでも、明日も当直がある。

あの2024年3月の駐車場の朝が、医師になってから、いちばん自分のことが嫌いだった朝です。
これが どん底 なのだろうか、ここから先はどう動けばいいのだろうか、ずっと考えていました。

DOCTOR · CHAPTER 6 — TRANSFORMATION

「市中病院の常勤だけが医師じゃない」と直視した夜

駐車場で動けなくなった日の夜、私はもう一度、仮眠室でスマホを開きました。

検索したのは「医師 当直なし 働き方」「在宅医療 医師 1日のスケジュール」。
そして、医師専門の転職エージェントという仕組みがあることを、このとき初めて知りました。

私はもともと、ムダが嫌いで、遠回りより仕組みで解決したいタイプです。
闇雲に病院を見学して回るより、求人条件を整理して、当直回数・年収・通勤時間を一覧で比較できる仕組みがあるなら、それを使いたい。そう考えました。

画面をスクロールしているうちに、ひとつ 気づいた ことがありました。

私は「市中病院の常勤 = 医師の唯一の道」と思い込んでいて、働き方に複数の選択肢があるという事実を、まっすぐに 直視 していなかったのだと。

「医師の働き方は、市中病院の常勤だけじゃない」
頭では知ったつもりだったその一文を、ようやく自分のこととして 受け取れた夜でした。

翌週、私は当直明けの非番の日に、まず医師専門の転職エージェントに登録だけしてみました。
「登録 = 退職」ではなく、「登録 = 当直なしの働き方を一度ちゃんと知る」。そう自分に言い聞かせて、ようやく 動い た非番の日でした。

DOCTOR · CHAPTER 7 — COMPLETE THE TASK

2024年8月、家から車で15分の在宅医療クリニックへ

2024年8月、私は家から車で15分の在宅医療クリニックに移りました。

エージェントに当直回数・年収・通勤時間の優先順位を伝えて、条件を整理してもらい、当直ゼロ・週4日勤務 の在宅医療クリニックに出会えたのが決め手でした。

移ってから、月曜の朝が怖くなくなりました。
19時には家に帰って、家族と一緒に夕食を食べる。当直明けに意識が飛びそうになる、あの怖さは、もうありません。

年収は、常勤時代から約100万円下がりました。
でも、患者さんの自宅に伺って「先生、来てくれてありがとう」と言ってもらえる時間が、毎日あります。これも医師の本来の姿の一面なのかもしれない、と思える日々です。

市中病院での3年間を、後悔しているわけではありません。
救急も病棟も経験できたことは、いまの在宅医療の現場で確かに生きています。

ただ、「自分の体を壊す前に、選択肢を一度知っておくこと」
それを当直明けの駐車場で動けなくなる前に知っていたら、と思う気持ちは、いまも消えません。

※働き方や転職の判断は人それぞれで、合う環境・年収・勤務形態は個人差があります。心身の不調を感じている場合は、無理をせず、必ず医師(産業医・主治医など)や信頼できる相談先にご相談ください。これは私個人の体験記であり、特定の選択を勧めるものではありません。

DOCTOR · CHAPTER 8 — RETURN HOME

Smart Choice Log を書いている理由

このサイトを書いているのは、あの2024年3月の朝、駐車場で動けなくなって泣いていた自分に、伝えたいことがあるからです。

「もう少し早く動いていたら」を、減らしたい。

医師の世界では「しんどい」と口に出しにくい空気があります。
同期にも、指導医にも、両親にも、本音はなかなか言えませんでした。

私が2024年に当直で消耗していたあのころ、いちばん欲しかったのは 「同じように消耗した医師が、その後どう動いたかの一次情報」 でした。

当直のない働き方に移った医師は、年収がどう変わったのか。
在宅医療クリニックの1日は、本当はどんなスケジュールなのか。
医師専門の転職エージェントを実際に使った人は、何を判断軸にしたのか。

検索しても、出てくるのはエージェント各社の宣伝記事ばかりで、当事者の声はほとんど見つかりませんでした。

だから、ここでは きれいごとではなく、私が使ったサービスの裏側や、年収が下がった現実の数字まで 書きます。
私自身が「ムダな試行錯誤で時間を溶かしたくない」タイプなので、読んだ人がそのまま使える形に、手順と判断軸を残しておきたい。

元・市中病院の内科医として、私が2024年の春に欲しかった一次情報を、誰かのために残しておく。
ただ、それだけの気持ちで書いています。

ここで書かないこと、約束したいこと

  • 「市中病院の常勤はもう古い」とは煽りません。 救急も病棟も診る常勤医は、医療を支える主軸です。在宅医療や当直なしの働き方は「選択肢の一つ」であって、常勤を否定するものではありません。
  • 「転職すれば全部解決」「年収は下がらない」とは書きません。 私自身、年収は約100万円下がりました。合う環境・勤務形態・年収は人によって違い、転職が常に正解とは限りません。
  • 「医療のプロが解説」「専門家が選んだ」とは名乗りません。 私はただ、市中病院の常勤を1年前に辞めた33歳の元・内科医です。一次情報を書くだけで、あなた個人の進退やキャリアを断定する立場にはありません。
  • 記事で紹介するサービスの一部は、運営会社から紹介手数料を受け取っています。
    ただし「自分が実際に使ってよかった / 同期に勧められるもの」だけを書きます。読者の登録・相談は完全無料で、「登録 = 転職」ではなく「登録 = 選択肢を知る」という立場です。
  • 心身の不調を感じている場合は、無理をせず、必ず医師(産業医・主治医など)や信頼できる相談先にご相談ください。

当直36時間を辞めて、在宅医療クリニックに移るまでの1年を、
年収が下がった現実の数字まで1本にまとめました。

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5日間の手紙で、私があの夜中に知った「当直なしで医師を続ける選択肢」を、年収・勤務形態・エージェントの使い方の順で、裏側の数字まで全部お伝えします。

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