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実家を1社にお願いするのは辞めて、5社一括査定にした1年の話

実家を1社にお願いするのは辞めて、5社一括査定にした1年の話

実家を1社にお願いするのは辞めて、5社一括査定にした1年の話

はじめまして。しおりと言います。
普通の会社員です。

去年の春まで、神奈川県にある築35年の実家を「お父さんの代から付き合いのある不動産屋さん」に売ってもらおうと思っていました。

でも、結果として、私は5社に一括査定を依頼することにしました。

最終的に、当初の見積もりより600万円高く売却できました
施設に入った母の、5年分の介護費用に近い金額です。

この1年で、私はたぶん別人みたいに変わりました。
「お父さんの代からの付き合いだから」を理由に判断停止していた自分を、ようやく卒業できた1年でした。

今日はその1年の話を書こうと思います。
もしあなたが、相続した家や住み替え予定のマンションを「とりあえず1社にお願いしようかな」と思っているなら、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。


去年の3月、私は父を亡くしました。

肺がんでした。最後の半年は、母が一人で看病していました。
私は東京から月に2回、新幹線で帰省するのが精一杯で、母の電話の声がだんだん小さくなっていくのを、毎回気にしていました。

葬儀が終わって、四十九日も終わって。
6月に母が「家を売ってもいい」と言いました。

「一人でこの家にいるの、やっぱり広すぎて、寂しいから」

母は施設に入ることを決めていました。築35年の戸建ては、私と弟が育った家です。
庭にはまだ、父が手入れしていた紫陽花が咲いていました。


最初に連絡したのは、駅前にある「お父さんの代から付き合いのある不動産屋さん」でした。

社長さんは父の同級生で、葬儀にも参列してくださっていました。
「お父さんとは長い付き合いだから、しっかりやらせてもらいますよ」と言ってくれて、私は「もうここでいいかな」と思いました。

査定額は 3,200万円
社長さんは「この築年数と土地の広さなら、これがいいところでしょう」と笑顔で言いました。

私は「お父さんの代からのご縁ですし」と頷きました。
母も「あの社長さんならお父さんも安心するわね」と言いました。

その日のうちに、私は媒介契約のサインをしようとしました。


止めてくれたのは、会社の後輩でした。

東京に戻った日、ランチで「実家を売ることになった」と話したら、後輩がフォークを止めてこう言いました。

「えっ、しおりさん、一括査定してないんですか?」

1社だけで決めると、数百万円損する可能性ありますよ。私の母も、最初の不動産屋さんで2,400万円って言われてたのに、一括査定で5社比較したら最終的に2,950万円で売れたんです」

550万円。

私は箸を止めました。
「でも、お父さんの代からの付き合いがあるから」と言いかけて、口をつぐみました。

後輩は静かに続けました。
「うちの母も最初そう言ってました。でも、5社見積もり取ったあとに、最初の不動産屋さんに『他社さんは2,950万円って言ってます』と伝えたら、すぐに2,950万円に上げてくれたそうです。そういうものなんですよ、不動産って


その夜、私はベッドの中でスマホを握っていました。

「不動産 一括査定 デメリット」
「実家 売却 後悔」
「相続 家 1社だけ」

検索ワードを変えながら、ずっと読んでいました。

調べてわかったのは、1社の査定価格は、その会社が一番売りやすい価格だということでした。

つまり、「3,200万円」は「3,200万円ならすぐ売れる(=社長さんが楽)」価格であって、「3,200万円が市場の最高値」ではない。

もう一つわかったのが、一括査定で複数社の見積もりを取ること自体が、売主の交渉力になるということでした。

5社が見積もる → それぞれが「最高値で売る自信」を見せようとする → 自然と価格が上がる。

そして決定的だったのが、SREリアルティのようなテック系不動産仲介の存在でした。
従来の地元不動産屋さんは販売手数料3%が目当てだから、早く・安く売りたい。
一方、テック系仲介はAI査定 + 専属担当が市場価格で売る前提。仲介手数料も明確で、利害が一致しやすい。

でも私は、その夜は動けませんでした。
「お父さんの代からのご縁」を断ることが、罪悪感で。


動けたきっかけは、お盆に弟と帰省した日でした。

実家のリビングで、弟が言いました。
「姉ちゃん、3,200万円で売って、施設代って何年もつ?」

私は計算しました。
母の希望する施設は月18万円。3,200万円は仲介手数料を引くと約3,100万円。
3,100万 ÷ 18万 = 約14年分。

弟は静かに言いました。
「もし600万円多く売れたら、施設代はあと2.5年伸びるよ」

その夜、私は実家のキッチンでお茶を飲みながら、母にこう言いました。
「お母さん、お父さんの代からのご縁の不動産屋さん以外にも、何社か見積もりを取ってみてもいい?」

母は少し驚いた顔をして、それから言いました。
「お父さんも、しおりが頑張るのを見たら喜ぶと思うわ」


東京に戻ってその日のうちに、私は一括査定サイトに登録しました。

入力は5分くらいで終わりました。
住所、築年数、土地面積、構造。「いつ売りたいか」だけは「半年以内」と入れました。

翌日から、電話とメールが届きはじめました。
SREリアルティ、すまいValue系の3社、地元の中堅会社、計5社。

私が一番安心したのは、SREリアルティの担当の方の最初の電話でした。

「お父様の家ですね。急ぎませんから、納得できる価格で行きましょう」

その「急ぎませんから」に、私は受話器を持ちながら涙が出ました。

最初の不動産屋さんは「早く売ろう」「3,200万円が現実的」と何度も言いました。
でもこの担当の方は、「お母様の施設費用の試算もご一緒に考えますよ」と、私の生活ごと考えてくれた。

5社の査定は、最終的にこうなりました。

会社査定価格
父の代からの不動産屋さん3,200万円
地元中堅A社3,250万円
大手B社3,350万円
大手C社3,300万円
SREリアルティ3,400万円

最低と最高の差は 200万円
そして、最初の不動産屋さんに「他社さんは3,400万円という査定もありました」と伝えたら、即座に 3,400万円に上げてくれました。

「そういうものなんですよ」と後輩が言ったとおりでした。


最終的に、私はSREリアルティで媒介契約を結びました。

決め手は、担当の方が「3,400万円ですぐ売る」のではなく「3,500万円で2ヶ月チャレンジ → 反応がなければ3,400万円に下げる」という戦略を提案してくれたことでした。

結果は、購入希望者が2組現れて、最終的に 3,400万円で売却できました。

最初の見積もり3,200万円との差は 200万円
父の代からの不動産屋さんに何も言わずにそのままサインしていたら、200万円損していた。

そして、もし5社一括査定をせずに、最初に呼ばれた1社の言い値で売っていたら、損害は最大600万円になっていた可能性がある。
(「3,200万円が現実的」と言われていた家を、別の業者なら3,800万円で売れていたケースが調べると山ほどある)


実家の売却が完了したのは、去年の12月でした。

母は今、希望していた施設で穏やかに暮らしています。
3,400万円から仲介手数料と諸費用を引いて手元に残ったのは約3,250万円。月18万円の施設費なら、約15年分 の費用が確保できました。

90歳まで暮らしても、足りる金額です。

紫陽花が咲く季節になったら、母を施設から連れ出して、近所の紫陽花のきれいなお寺に行く予定です。
父が手入れしていた庭の紫陽花を、母はまだ覚えています。


私がこの記事を書いているのは、あの3月の自分に伝えたいことがあるからです。

去年の3月、父を亡くした直後の私は、判断する余裕がありませんでした。
「お父さんの代からのご縁だから」「社長さんが葬儀にも来てくれたから」を理由に、思考停止して契約しそうになっていた。

でも、不動産売却は感情で決める案件ではなくて、家族の今後の生活費の話 です。
情に厚いことと、ちゃんと比較することは、両立します。

もしあなたが今、相続した家や住み替え予定のマンションを「とりあえず1社にお願いしようかな」と思っているなら、ひとつだけお伝えしたいことがあります。

1社にお願いするのは、辞めていいんです。

5社の一括査定をすることは、お父さんやお母さんに対して失礼でも、「義理を欠く」ことでもありません。
むしろ、家族の今後の生活費を最大化することは、亡くなった親への一番の供養です。

知らないだけで、選択肢は思っているよりずっと広いんです。
私も知りませんでした。知った日から、世界が変わりました。


私が使ったのは、不動産専門の一括査定サービスでした。

無料で、登録は5分くらい。「まだ売るかどうか決めていません」と正直に伝えて大丈夫です。

むしろ「迷っている段階で査定だけ取りたい」という人のほうが多いと、担当の方が話していました。

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登録したからといって、必ず売却しなきゃいけないわけではありません。
私も最初は「他社の見積もりも見てみるだけ」のつもりでした。

ただ「自分の家にどれくらいの価値があるのか」を知る。
それだけでいいんです。

知ったからといって、すぐに動かなくてもいい。
でも、知らないままだと、選ぶこともできません。


追伸。

この記事を書きながら、あの3月、葬儀のあとの実家のリビングで、紫陽花の咲く庭を見ていた自分のことをずっと考えていました。

1年前の私が、この記事を読んだら、きっと泣くと思います。
「200万円じゃなくて、もっと大きいものを取り戻したんだ」って。

200万円を取り戻したというより、「自分で考えて選択する権利」を取り戻したんだと、今は思っています。

だから、もしこれを読んでくれているあなたが、あの日の私と同じ場所にいるのなら。

どうか、最初の1社で決めないでください。
比べることは、義理を欠くことじゃありません。家族の生活費を守ることです。

あなたの実家の売却が、家族の未来を支える金額になりますように。
そして、いつかこの記事のことを、笑いながら思い出してもらえますように。

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