鏡を見るのを辞めて、AGAクリニックに行くまでの2年の話
はじめまして。たくみと言います。
普通の会社員です。
去年の春まで、私は2年間「気のせいだ」と思い込んでいました。
朝、洗面所の鏡を見るのが、だんだん短くなっていることに、自分で気づかないふりをしていた2年間です。
今は、AGAクリニックに通って治療を始めて1年。
朝の鏡の前で、自然に普通の時間を過ごせています。
雨の日のスーツの肩を気にすることも、美容室で「ちょっと薄くなってきましたね」と言われて固まることも、なくなりました。
この2年で、私はたぶん別人みたいに変わりました。
特に、写真に写った自分を「これ、自分じゃない」と思って削除する日々が消えたのが、一番大きいです。
今日はその2年の話を書こうと思います。
もしあなたが、洗面所の鏡を見る時間がここ最近短くなっているなら、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
最初に「もしかして」と思ったのは、おととしの春でした。
風呂上がりに洗面所の鏡を見たとき、頭頂部の地肌が、いつもより明るく光って見えました。
最初は「ライトが当たっただけだ」と思いました。角度を変えて、もう一回見ました。
「気のせいだ」と思いました。
会社で先輩が「最近薄くなってきたなー」と笑いながら自分の頭を叩いていたのを見て、その日の帰り、薬局で育毛剤を買いました。
「使い始めれば大丈夫だ」と思いました。
育毛剤は週1回しか使わなくなりました。「気のせいだから」「まだ早いから」「今は忙しいから」。
次の年の春、美容室で美容師さんが、髪を切りながら鏡越しに、何気なくこう言いました。
「たくみさん、最近、頭頂部ちょっと薄くなってきましたね」
その言葉の後、3秒くらい、自分の意識がどこかに飛びました。
「あ、ありがとうございます」と、私は何故かお礼を言ってしまいました。
家に帰って、洗面所の鏡の前で、初めて頭頂部を真上から手鏡で見ました。
あのとき、お風呂上がりに「ライトのせいだ」と思った地肌は、確実に広くなっていました。
その夜、私は両親と妹のいる実家のグループLINEに、「最近どう?」とだけ送って、すぐに既読スルーされました。
ベッドの中でスマホを握って、検索していました。
「30代 薄毛 進行」
「AGA 始まり 兆候」
「育毛剤 効かない」
検索ワードを変えながら、ずっと読んでいました。
調べてわかったのは、AGA(男性型脱毛症)は治療しないと進行する病気だということでした。
育毛剤は基本的に「頭皮環境を整える」ものであって、AGAそのものを止める薬ではない。
進行を止めるには、皮膚科やAGA専門クリニックで処方されるフィナステリド・デュタステリドなどの内服薬が必要。発毛させたいならミノキシジルの内服や外用、メソセラピー注入などが選択肢になる。
そして、もう一つわかったのが、AGAは早期治療ほど効果が出やすいということでした。
進行してから治療開始すると、毛根そのものが弱ってしまっていて、戻る確率が下がる。
私はその夜、検索画面を閉じて、布団をかぶりました。
「治療しなきゃ」と「治療を受ける勇気がない」が、頭の中でぐるぐる回っていました。
その後も、私は1年近く動けませんでした。
理由は3つくらいあったと思います。
1つ目は、「クリニックに行く」ことが、薄毛を自分で認める儀式のように感じられて、怖かった。
「気のせいだ」「まだ大丈夫だ」を、自分の中で守りたかった。
2つ目は、費用です。AGA治療は基本的に保険適用外で、月1万〜3万円かかる。
独身一人暮らしの私には、「鏡のために月3万円」を払う心の準備ができなかった。
3つ目は、男友達に相談できなかったこと。
「最近薄くて」と言うのが、自分のプライドに引っかかった。
ネットの体験談は山ほどあるのに、知り合いには一人も「治療している人」がいなかった。
その間にも、頭頂部の地肌は、確実に広くなっていきました。
雨の日にスーツの肩を見て、自分の落ち髪が乗っているのを、何度も見ました。
動けたきっかけは、姪っ子の結婚式の写真でした。
去年の3月、妹が「結婚式の写真ができたよ」と家族LINEで送ってきました。
新郎新婦の前列、私はちょうど中央付近に立っていました。
その写真の上から見た自分の頭頂部は、私の想像していた「気のせい」を、完全に超えていました。
私はトイレで、その写真を10分くらい眺めていました。
「これ、半年後はもっと広くなるってことだ」と、初めて頭で理解しました。
その夜、私はスマホで「AGAクリニック」と検索しました。
気がついたら、AGAヘアクリニックの無料カウンセリング予約ボタンを押していました。
予約フォームの入力は5分くらいで終わりました。
「まだ治療を始めるかどうか決めていません」という選択肢があったので、それにチェックしました。
翌日、クリニックから「カウンセリングは初回無料です。治療を始めるかどうかは、お話を聞いてから決めて大丈夫ですよ」と確認のメールが来ました。
カウンセリング当日、私は会社帰りにクリニックに向かいました。
待合室は、男性ばかりでした。スーツの30代、私服の20代、白髪混じりの50代。
全員が、雑誌を読んでいるふりをしていました。
カウンセリングを担当してくれたのは、30代の医療コーディネーター(男性)でした。
最初に、頭の写真を上から、横から、後ろから撮りました。
モニターに映った自分の頭頂部を、私は初めて他人と一緒に見ました。
コーディネーターさんは、淡々とこう言いました。
「たくみさんは、AGAのステージ2〜3です。今治療を始めれば、内服と外用だけで十分回復可能性があります」
「ステージ2〜3」と言われたとき、私は救われた気がしました。
「もう手遅れ」じゃなかった。
そして、淡々と「ステージ」と病理として扱ってもらえたことが、私のプライドを傷つけずに済みました。
最後に、コーディネーターさんは静かに言ってくれました。
「2年間、一人で気にされてたんですよね。よくここまで一人で踏ん張られました」
私は、診察室で泣きそうになりました。
家族にも、友達にも、誰にも言えなかった2年間を、初めて他人に「踏ん張ってきた」と労ってもらえた気がしたんです。
そこから、治療が始まりました。
私が選んだのは、内服のフィナステリド + ミノキシジル + 月1回のヘアメソセラピー注入のセットでした。
費用は月2万8千円くらい。最初は迷いましたが、「鏡を見るのが怖い1年」と「鏡を普通に見られる1年」の差を考えたら、安いと思いました。
最初の3ヶ月は、ほとんど変化を感じませんでした。
「効いてないんじゃ?」と何度も思いました。
4ヶ月目、髪を洗うときの抜け毛が、明らかに減りました。
6ヶ月目、頭頂部に触ったときに「あれ、なんか毛がある」と感じる日が出てきました。
9ヶ月目、美容室で美容師さんに「たくみさん、最近毛量増えました?」と言われました。
その瞬間、私は鏡越しに「いいえ、気のせいです」と答えてしまいました。
冷静に考えると、自分から「気のせい」だと言ったのは、人生で2度目でした。
1回目は、薄くなっていたのに「気のせいだ」と思い込んでいた2年間。
2回目は、増えてきたのに「気のせいです」と謙遜してしまった瞬間。
そのとき、私は両方が「自意識を守るための嘘」だったと、初めて気づきました。
治療を始めて1年経った今、私は朝の鏡の前で、普通の時間を過ごしています。
頭頂部のあの地肌の広がりは、目で見て分かるレベルで埋まりました。
雨の日のスーツの肩に落ちる髪は、ほぼ気にならない程度になりました。
写真に写った自分を見て「これ、自分じゃない」と削除することも、なくなりました。
費用は確かにかかります。月2万8千円 × 12ヶ月 = 33万6千円。
でも、今はこう思っています。
33万6千円で、自分の人生のもう1年分を取り戻した気分です。
鏡を気にする1年と、気にしない1年は、たぶん5年分くらい違う。
私がこの記事を書いているのは、おととしの春の自分に、伝えたいことがあるからです。
おととしの春、洗面所の鏡を見て「ライトのせいだ」と思った瞬間。
あの瞬間から「クリニック」までの2年間が、一番もったいなかった。
もしあなたが今、洗面所の鏡を見る時間が短くなっているなら、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
AGAは、治療しないと進む病気です。
気合や育毛剤や食事改善で止まるものではありません。
そして、早期治療ほど、戻る可能性が高い。
あの2年で進行した分、私は余分にメソセラピー(高額な発毛注入)を受けることになりました。
ステージ1で動いていたら、内服だけで済んだかもしれません。
知らないだけで、選択肢は思っているよりずっとあります。
私も知りませんでした。知った日から、世界が変わりました。
私がカウンセリングを受けたのは、AGA専門クリニックでした。
無料カウンセリングは、登録は5分くらい。
「まだ治療を始めるかどうか決めていません」と正直に伝えて大丈夫です。
むしろ「迷っている段階で話だけ聞きたい」という人のほうが多いと、コーディネーターさんが話していました。
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カウンセリングを受けたからといって、必ず治療を始めなきゃいけないわけではありません。
私も最初は「話を聞いてみるだけ」のつもりでした。
ただ「自分の今の状態が、AGAのどのステージなのか」を知る。
それだけでいいんです。
知ったからといって、すぐに動かなくてもいい。
でも、知らないままだと、選ぶこともできません。
そして、待っている間にも、進行しています。
追伸。
この記事を書きながら、おととしの春、洗面所の鏡の前で「ライトのせいだ」と自分に嘘をついた瞬間のことをずっと考えていました。
2年前の私が、この記事を読んだら、きっと泣くと思います。
「2年も一人で抱え込まなくてよかったんだ」って。「もっと早く知っていたら、もっと早く楽になれたのに」って。
だから、もしこれを読んでくれているあなたが、あの日の私と同じ場所にいるのなら。
どうか、一人で抱え込まないでください。
話を聞いてくれる人は、利害関係のないところに、ちゃんといます。
そして、あなたが思っているほど、特別な悩みでもありません。
あなたの朝の鏡の前の時間が、少しでも穏やかになりますように。
そして、いつかこの記事のことを、笑いながら思い出してもらえますように。
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